資金調達

消費者金融の株式上場

かつて、大手消費者金融各社が一斉に株式上場に乗り出していた時代がありました。時は19
93年、バブルがはじけて銀行各社が不良債権で莫大な損失を出している中、過去最大の収益
をあげていたのが消費者金融業界です。

当時、株式上場・店頭登録をしていたのは、いわゆる「大手5社」と呼ばれる面々で、金融業
界トップに上りつめた武富士をはじめ、アコム、プロミス、アイフル、三洋信販でした。

いずれの会社も過去最高益をあげており、銀行をはじめ他の金融機関全体が業績低迷に苦悩し
ている中にあっては、異例ともいえる光景でした。

当時は日本中が不動産投資にわいており、銀行もそういった不動産にのめり込む企業に莫大な
融資をしており、それが結局バブル崩壊とともに手痛いしっぺ返しとなって跳ね返ってきたの
です。

それとは対照的に、消費者金融はそういった不動産には目もくれずに、あくまでも庶民への小
口融資を堅実に営業をしていたことが、バブル崩壊後の差に帰結したのです。

90年代に利益を拡大させた理由

前述したように、消費者金融業界は90年代、過去最大の収益をあげるようになりました。そ
の理由として、自動契約機の投入によって新規顧客が増えたことと、超低金利下にあって資金
調達コストが下がったこと、更には信用情報機関の精度向上による貸し倒れ損失率の低下など
によるものです。

0

株式上場による資金調達

その後、大手五社に続いて、松山市に拠点を置くニッシン、姫路のシンキ、静岡のクレディア
、札幌のアースなどが店頭登録をしてきます。株式公開をすることで、会社のイメージアップ
にも貢献し、結果として消費者金融の利用者も増えることになりますが、一番の大きな理由は
資金調達です。

消費者金融はノンバンクなので、銀行のように不特定多数から預金を集めることは出資法で禁
止されています。そのため、融資のための資金を銀行や証券会社といった金融機関から借り入
れることによって、資金調達をはかっています。

しかし、それは金融機関の金利に大きく影響を受けることにもなり、結果として収益にも影響
を与えることになってしまいます。金融機関からの資金調達に依存している以上、回避できな
い事情でもあるわけですが、こういった問題を解決するには直接資金調達をするしか方法があ
りません。

その一番の近道が株式公開であったわけです。株式を公開して時価発行増資をすれば、額面価
値の何倍もの株価がついて、巨額の資金を調達することが可能です。

幸いにしてこの当時の消費者金融各社は毎年成長を続けており、証券取引等の上場審査にも問
題なく通ったことで、株式上場・公開が現実のものとなったのです。